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    13、不動産登記をしたら、まず登記


      相続によって不動産を取得した場合、それが自分のものであることを他
     人に主張するために登記をするのであり、登記をしなければ罰せられると
     いうわけではありません。「相続権のある私たち以外に遺産がいくわけが
     ない」と考える人もいるようです。不動産をめぐる相続問題は、とかくスム
     ーズにいかないことが多いものです。つまり登記をしておかないと、後々、
     困ることが起きるのが不動産相続の常識と考えておいたほうがよいでしょ
     う。


 


    登記をしないままでいると、不動産犯罪に狙われることがある。


     登記をしないで放置しておくと不動産犯罪に巻き込まれることがあります。
    犯罪の意図を持った者が古い登記簿を見つけて、本人が死亡していることを
    確認してから本人または相続人になりすまして、印鑑証明書、権利書などを
    偽造して第三者に売却してしまうこともあります。肉親の間でも似た事件は
    起こります。兄弟二人が共同相続したはずの土地を、兄が弟の印鑑を盗用
    して勝手に自分名義の単独所有にする登記をして、これを第三者名義に所
    有権移転の登記をしてしまった場合などです。とかく不動産をめぐる相続に
    は第三者が介入して事態を複雑にさせやすいのです。


 


    登記をせずに放っておくと、権利関係が複雑になる


     たとえ不動産犯罪に巻き込まれなくても、長い間登記を放置しておくと相続
    権のある人が次第に増えて、遺産分割の協議が整わなくなりがちです。登記
    書類も多くなり、不動産をめぐる法律問題をさらに複雑にさせます。


 


    相続人の中の一人からでも申請できる相続登記


     登記の申請は登記権利者と登記義務者が共同で行うのが原則ですが、相
    続登記の場合では、登記義務者(被相続人にあたる者)は亡くなっています
    から、相続人だけで申請できます。ただし、その際、法定共同相続人全員を
    相続人として示し、その法定相続分を持ち分とする共有登記でなければなり
    ません。なお、この場合は、法定共同相続人のうち一人からでも、登記申請
    をすることができます(ただし、遺産分割協議等で法定相続分以外の相続登
    記をする場合を除く)。


 


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